第七回

地下十階〜狂王と魔術師


グレース「ワードナとトレボーはグルですのよ。そもそも不死のワードナは、トレボーと共謀して迷宮を運営してますの。トレボーは城塞都市の運営と強い兵士の確保、ワードナは志半ばで斃れて行く冒険者を自分の魔術の探求に利用する、ということで」
アーネスト「俄かには信じ難いが……」

 そんな会話をBGMに、今しがた倒したGREATER DEMONの返り血を拭いながら、フィオナが宝箱をこじあける。現在、ワードナの玄室へ向けて二度目の探索行の最中である。

フィオナ「……よし開いた。武器*1みっけ」
ユウ「!! ト、トリーシャ、識別! 識別してくれ!」*2
トリーシャ「はいだよー。……あ」
ユウ「……(ごくり)」
トリーシャ「おめでとー。MURAMASA BLADEなんだよー」

 SAMURAI最強、Wiz世界最強の武具を手に意気軒昂。レベル1のSAMURAIが手にしても巨人族を屠ると言われる妖刀は、ランダムエンカウントのFIRE GIANTに軽く150オーバーのダメージを叩き出す。そのまま労無く最後のテレポートポイントを抜け、ワードナのフロアへ。

今、ワードナは
*在室中*

 玄室のドアを蹴り開けると、中には確かに倒したはずの魔術師ワードナの姿があった。だが、今の冒険者たちにとってはもはや敵では無い。半信半疑ながら魔術師を倒し、再び魔よけを手にする。

フィオナ「……ホントに居た。そして出た」
アーネスト「つまり、グレースの言っていた事の正しさが証明されたってわけか」
ユウ「で、どうするんだこれから。目的がなくなっちまったんじゃないか?」
グレース「目的ならあります。……鍛えるのみ、ですわ」
トリーシャ「修行するんだよー?」
グレース「そのとおりです。あのキチ●●王が強者を求めるのなら、いっそヤツに御しきれないくらい強くなるしかありませんわ! その為にこの迷宮があるといっても過言ではありません」
ガウェイン「なるほど。狂王の試練場、とは良く言ったもんですねえ。ははは」
アーネスト「やれやれ。ま、鍛えることに異論は無いがな」
ユウ「まぁな。さて、そしたら一度俺たちの編成も考えるかな」

 二つ目の魔よけも、地下一階(0,0)で待つBISHOP、リニーアに預ける。宿で休み、パーティの再編成……、そう、フィオナがDAGGERofTHIEVESを使用してNINJAになり、前衛に出るのである。同時にガウェインはPRIESTへと転職。後衛へと下がった。そして再び、地下十階──。

冒険者のつぶやき*

トリーシャ「本文で喋ってるから段々これもいらなくなってきたんだよー」
ユウ「話としては終わってるからな。あとはひたすらアイテム探しとレベル上げに終始するわけだ」
アーネスト「動機がすりかわったってことか」
ガウェイン「それを言い出すとオシイマ*3になっちゃいますよ」
フィオナ「……冒険者は、戦いが稼業」
グレース「それでよろしいのよ。“鍛えよ、勝つために”ですわ」
フィオナ「(……Gガ●ダム?)」

*1:?WEAPON

*2:不確定名『?WEAPON』は、SHURIKENMURAMASA BLADEの二拓

*3:押井守著「注文の多い傭兵たち」参照